2014年9月21日日曜日

シャルロット・ポワール < Charlotte aux poires >




シャルロット・ポワール < Charlotte aux poires >

瑞々しい洋梨のコンポートが入った、香り高い洋梨のムースを
サックリと焼き上げたビスキュイ・ア・ラ・キュイエールで囲みました。

ビスキュイは時間の経過とともにムースの水分を吸って
サクッと感は失われていきますが
この洋梨の香りたっぷりのジュースを吸った生地が
またなんともいえず美味しいのです。

丁寧にビスキュイを焼き、
丁寧にアングレーズを炊き、
丁寧にムラングイタリエンヌを作り
丁寧にアンビバージュを打ち
丁寧にコンポートを切りちりばめる。

どのお菓子でもそうなのでしょうが、
ごくごく基本的なことの積み重ねで
とびきり美味しいお菓子が出来上がる。

そんなことを作る度に確認させてくれる
大好きなお菓子の1つです。









吉祥寺より



パン有り遠方より来たる、亦た楽しからずや。
有麵包自遠方来、不亦楽乎









2014年9月20日土曜日

無くなってしまう切なさ。




昨日の夕飯。



最初はたくさんとれたそのボリュームに
ワクワクウキウキしてしまうのに
残りが少なくなると、とても切ない気持ちになってしまう....

お菓子も同じですよね。
好きなお店でホールのケークとか買うと
「こんなに食べて良いの?」って嬉しくなってしまうけど
食べ進めるに連れて、「あぁ、残りあと少しだ...」と
淋しさが込み上げてくる。

そんな風に思ってもらえるお菓子を作らなきゃいけないと、
残り少なくなった塩イクラを前に思うのでした。








Pain de campagne




朝のワンコの散歩も、半袖では出来なくなってきましたし
真っ暗なので懐中電灯も必要です。
秋らしい空気になってきて、カンパーニュの発酵も
少しづつ緩やかになってきました。



夏の間、もういいよ...ってくらいつらかった
石窯の輻射熱も心地良くなってきました。













2014年9月19日金曜日

浪花のモーツァルト

ほんとはね、右みたいになっちゃダメなんです。
まちがいなく怒られます。
でも急いでるとね、たまになるんです。
かぶったみたいになってしまうんです。

そんな彼のことを僕は「浪花のモーツァルト」、
もしくは「小倉さん」と呼んで愛でています。

カタチはおかしくても味はすこぶるおいしいですよ、このメロンパン。







noisette,amande,noix caramélisées


 noisette,amande,noix caramélisées


お菓子に乗せるのよりも、食べてるほうが多いかも....ってくらいおいしいです。











僕にとっての「豊かさ」



味噌仕込用に購入した大豆「さといらず」を春に植えたら、立派な枝豆になってくれた!



植えた場所は敷地の端の2畳分くらいの小さな範囲だけど
2年前に掘り起こした時は石しか出てこなくて、
振るって石を取り除いたら、大きく陥没してしまった。
草刈りしたものを積み上げて、糠や種継ぎしたあまりを
水で溶いたものをかけたりしながらなんちゃって堆肥を作り
すき込んで用意した場所。
トマトやバジルもたくさんなってくれたし、
毎年夏に枯れていたリュバーブも根付いてくれた。
茹でた豆は甘くて香りが良くってとってもおいしい!


 初めて植えた大豆でこんなに美味しいものを
食べさせてもらえるなんて。
一房ずつハサミを入れて切り離していく度に
笑みがこぼれるというか、嬉しすぎてニヤけてしまう。
収量も多くないし、いろんなものを育てる
時間も知識もないけど、出来る範囲で少しづつ。
失敗しながら、積み重ねていきたい。

パンとの出会いや、小さな庭での菜園のまねごとが
「対象の声を聞く」という自分にいちばん足らないことに
気付かせてくれている。
この積み重ねが、製菓の仕事にも
きっと厚みを持たせてくれるのだと思う。

僕が求める「豊かさ」とは、こういうことじゃないかな...と
思えるようになってきた。








2014年9月16日火曜日

北の国から’14 「銀毛」

 毎年恒例となった秋の礼文島からのお取り寄せ。

今年も立派な<銀毛>が届きました!





 オスもメスも3キロ以上ありました。


大名におろして



腹骨をすき取り



切り身にして冷凍保存。



あらは湯霜にしてヌメリと血合いをのぞき



沖合で獲れた銀毛だから、まだ筋子はねっとりとしていて柔らかい。
血管と薄皮を取り除いて、ぬるま湯で洗う 。


ザルにとって塩をすると、鮮やかな赤色に。



アラは灰汁を取りながら昆布や根菜と沸々と煮込み、
塩味だけの「三平汁」に。


出来上がった塩イクラ
今年は600gできました。


オスの白子は霜降りしてポン酢で。


鮭の皮の美味さは際立っているらしいので
見よう見まねでバーナーで炙り、焼き霜造りに。


たっぷりとご飯にのせていただきます!
 自分で作ればこその贅沢です〜。



母のおにぎりとクレープ

9月も半ば、各地で運動会が催されている様子を
友達の投稿で目にします。
運動会で思い出すのが、母が作ってくれたお弁当に入っていた
薄焼卵で包んだこのおにぎり




普段のお弁当には滅多に入ることはなくて、兄や姉の中学校の運動会に
家族みんなでいったとき位だったかな?
これが入ってると、滅多に口に出来ないから
奪い合いになったようにも思うし
かなりテンションが上がったのを覚えています。
卵焼きとおにぎりを一緒に食べれば良いじゃん...と
思われるかもしれませんが、これがまた違うんですよね。
卵の味付け具合、焼き加減で印象も大きく変わります。
母のそれは出汁巻きに近い味わいで、やさしい卵の香り。
焼き色も薄く、ご飯を咀嚼すると同じスピードでほどけていく。
母の作ってくれるこの加減が僕はいちばん好きでした。





見た目はまったく違いますが、僕の作るクレープ生地、
咀嚼する時のほどけ方、中に入れた具材との調和の取り方は
まさにこのおにぎりのイメージそのものなんです。

基本的には材料を順番に混ぜていけば、誰でも失敗することなく
クレープの生地を作ることはできます。

しかし、どんな小麦粉を使うのか?(蛋白質の量や性質、灰分の割合など)
液体と粉を混ぜるとき、どんな水分量でどのくらいの強さで何回混ぜ
どんなグルテンを作るのか?
材料の温度、油脂を混ぜ込むタイミングはいつにするのか?
クレープパンもテフロン製か鉄なのか?
という、いくつもの分かれ道があり、そこでどれを選択するかで
出来上がりは大きく違ってきます。(個人的な感覚ですが)

僕の持つおいしいクレープのイメージは
卵のやさしい香りは残しつつ、香ばしさを出すために
焼き色はしっかり目に付ける。
少しモチッとした食感も出しながら、咀嚼すると
柔らかい中味と同じように口溶ける生地...
というところを目指しています。

先日そんな思い出話を母にしたところ、
作って持ってきてくれました!
実に二十数年ぶりに食べました。
口に含むと昔食べたころの情景が
ブワァ〜と甦ってくるんですよね。
よくこんなに手間のかかるものを作ってくれてたなぁと
今更ながら感謝の気持ちで一杯です。

消えることのない幼少期の舌の記憶が
自分のクレープ作りに生きています。











今日の賄い


 干し椎茸をふんだんに使い、贅沢にとった出汁で煮た
クサカベさんの里芋。




クサカベさんにいただき、初めて調理したツルムラサキ。
マーノさんのベーコンと一緒に炒めて。





 中村くんが買ってきてくれた三尾のワカメ

サッと茹でてポン酢で。
肉厚で歯ごたえがあり、良い香りがします。